事業内容

助成事業

2024年度「愛の事業団福祉援助・助成の贈呈式」が行われました(2024年11月22日)

県内10の施設・団体などに備品が贈られた山新放送愛の事業団福祉援助・助成贈呈式=山形市・山形メディアタワー(撮影・山口竜昇)
福祉援助・助成贈呈式

山新放送愛の事業団(理事長=寒河江浩二山形新聞会長・主筆)の2024年度福祉援助・助成の贈呈式が22日、山形市の山形メディアタワーで行われ、県内10の施設や団体などにタブレット端末や台車、ミシンなどが贈られた。

寒河江理事長が同事業団の趣旨を説明し、「贈呈品には、県民からの愛あふれる温かい励ましと力強い声援が込められている。有効に役立ててほしい」とあいさつした。選考委員長の峯田益宏山形新聞取締役編集局長が援助・助成先の選考経過を報告し、寒河江理事長と板垣正義山形放送社長が目録を手渡した。

来賓として柴田優県健康福祉部長、松浦雄大山形市福祉推進部長、玉木康雄県社会福祉協議会長が出席し、柴田部長と松浦部長が励ましの言葉を送った。福祉援助・助成先を代表し、NPO法人ポポーのひろば(村山市)の松田律子理事長が「地域の役に立てるよう努めてきた。寄付いただいた皆さんの期待に添えるよう、これからも尽力していく」と述べた。

山新放送愛の事業団と山形新聞、山形放送は、行政の目が行き届かない地道な活動を支援し、県民の善意を広く地域福祉に還元しようと毎年、福祉援助・助成を行っている。24年度は15件の応募があった。

「山形新聞2024年11月23日」「写真提供/山形新聞社」

山新放送愛の事業団 援助・助成先の10団体 福祉応援、県民の善意

山新放送愛の事業団、山形新聞、山形放送は2024年度の福祉援助・助成先に、地域食堂の運営や障害児の支援に取り組む団体、手話サークルなど10件を決めた。それぞれの活動に応じてタブレット端末や食材運搬用の台車といった必要な品目を贈り、県民の善意を地域福祉の向上につなげる。

行政の目が行き届きにくい部分を民間サイドからサポートしようと、毎年続けている。7日に山形市の山形グランドホテルで選考委員会を開き、申請のあった15件について▽支援によってさらなる福祉の充実につながるか▽緊急性や必要性があるか−などの観点から議論した。

24年度援助・助成先のうち、5団体の活動を紹介する。

山形てのひら支援ネット(山形)

食通じた交流の居場所
活動風景
協力しながらギョーザ作りをする参加者やスタッフ=山形市

山形てのひら支援ネット(山形市、岡部幸子会長)は、さまざまな立場の人たちが気兼ねなく集まる地域食堂「楽」を運営する。多様性を大切に、食を通してコミュニケーションが生まれる居場所になっている。

2015年に発足。翌年から子ども食堂を始め、18年に枠組みを広げた地域食堂に移行した。公民館などで月2回開いており、高齢者や障害のある子どもがいる家庭、外国出身の親やその子ら、ボランティアやスタッフも含め、毎回50人ほどが参加する。若者対象の学習支援も行っている。

集まるみんなで協力し合い、地域の伝統食や海外の料理も積極的に提供する。岡部会長は「誰でも安心して来られる場所でありたい」と語った。

寒河江手話サークルかがやき(寒河江)

会話や歌に笑顔で挑戦
活動風景
和気あいあいとした雰囲気で、手話での会話を楽しむ会員ら=寒河江市・ハートフルセンター

寒河江手話サークルかがやき(寒河江市、菊池幸子会長)では、会員の聴覚障害者と健常者が月2回夜に集まり、手話での会話を通じて交流を深めている。

1999年に設立し、寒河江市を中心に13人が所属。同市のハートフルセンターで勉強会を開いている。活動内容は会員が順に担当して考える。テーマに沿って自身の近況や経験を発表したり、歌を歌ったり。声を出さず、手話だけを使用した会話にも挑戦する。笑い声が絶えない和気あいあいとした雰囲気だ。

自身が聴覚に障害のある菊池会長は「最近は新しい言葉も増えているので、頂いた本や学習辞典で調べながら、たくさんの人と会話がしたい」と手話で話した。

NPO法人ポポーのひろば(村山)

子育ての悩みを解消へ
活動風景
集まってふれあい遊びをする、ポポーのひろばの利用者=村山市

NPO法人ポポーのひろば(村山市、松田律子理事長)は、未就学児と保護者を対象とした交流スペースの運営や、市子育て総合窓口での相談、乳幼児の一時預かりを行っている。2007年に活動を開始し、10年にNPO法人を設立。現在は14人が所属する。

年間の施設利用者は延べ約9500人。子どもが安心して遊べるスペースを設け、子育て中の悩みや不安、保育園に関する相談などを受け付けている。毎月の誕生日会や季節ごとのイベント、親子での体操教室も実施している。

松田理事長は「一人一人に寄り添った丁寧な対応を心がけ、子育ての悩みや不安を解消できるような環境づくりを続けていきたい」と語った。

放課後等デイサービス「POCCOしらたか」(白鷹)

集団活動の適応を支える
活動風景
スライム作りを楽しむ子どもたち=白鷹町

白鷹町の放課後等デイサービス「POCCO(ポコ)しらたか」は、障害のある子どもを放課後や長期休暇時に預かり、集団活動への適応や自立した社会生活が送れるようサポートしている。

2013年に開所し、17年に現在の旧鷹山小校舎に移転した。長井市のNPO法人ひびき(小林真理事長)が運営し、長井、白鷹、朝日の3市町に住む小学生から高校生まで計20人が利用登録している。

子どもたちは、宿題をしたり、衣服の畳み方を教わったり、一緒に工作を楽しんだり−。かつての学びやで伸び伸びと過ごす。橋田幸恵管理者は「一人一人の『できた』を大切に、子どもたちの人生がより豊かになるよう支えたい」と話した。

NPO法人やまごや(鶴岡)

障害児の相談、運動支援
活動風景
保育園を訪問し、風船を使った遊びを支援するやまごやの職員=鶴岡市

NPO法人やまごや(鶴岡市、平向正包代表理事)は、庄内地域を中心に障害児の支援活動を展開している。子どもたちの「やってみたい」を大切に、各家庭や保育園、学校を訪問して相談などに応じている。

2022年に発足し、作業療法士や看護師ら10人が所属する。相談事業に加え、知的・発達障害がある子どもらに体を動かす楽しさを伝える運動プログラムを実施。スポーツの動きを取り入れた遊びなどを通し、可能性を広げている。障害理解のための市民向けワークショップも開く。

平向代表理事は「徐々に団体の認知度が高まり、必要とされているのを感じる。地域共生社会実現に向け、活動の幅を広げたい」と語った。

福祉援助・助成贈呈先

(2024年11月22日現在)
○施設・団体への助成
番号地区名称品目
1 山形市 山形地域福祉事業所陽だまり 冷蔵庫1台
ガスコンロ1台
2 山形市 山形てのひら支援ネット 台車4台(食材運搬用)
3 寒河江市 寒河江手話サークルかがやき 手話学習DVD教材3冊
手話学習辞典4冊
手話検定試験解説本2冊
4 寒河江市 要約筆記サークルたんぽぽ OHCロールシート100本
5 村山市 特定非営利活動法人ポポーのひろば ジョイントクッション120枚
授乳専用チェア1脚
6 白鷹町 放課後等デイサービスPOCCOしらたか ランニングマシン2台
タブレット端末2台
7 南陽市 特定非営利活動法人花未来 ミシン1台
8 鶴岡市 特定非営利活動法人やまごや 拡声器スピーカー1台
ワイヤレスピンマイク2本(拡声器用)
有線マイク1本(拡声器用)
○全県的な範囲の催事・行事大会・団体への助成
9 全県 県内の視覚障害者の皆さんへ 点字カレンダー(610部)
○ボランティア活動・事業への助成
10 天童市 ボランティアサークル nicoこえ タブレット端末1台
合計10件
選考委員会 2024年度の援助・助成先を協議した選考委員会=7日、山形市・山形グランドホテル

【選考委員】(敬称略、新は新任)

委員長=峯田益宏(山形新聞取締役編集局長)▽委員=広谷勝子(県地域福祉推進課長、新)東海林靖志(県生涯教育・学習振興課長兼郷土愛育成室長、新)中沢秀夫(県社会福祉協議会参事)押切あき子(新庄)原田智光(高畠)小林宏一郎(白鷹)安藤善宏(村山)今野誠(酒田)日下部泰子(寒河江)細谷由紀(東根)菅原繁(鶴岡)鈴木雅史(山形新聞論説委員長)三浦重行(山形放送報道制作局長)▽事務局長=鈴木啓祐(山形放送取締役経営管理局長、新)▽事務局員=矢作真也

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