事業内容

助成事業

2023年度「愛の事業団福祉援助・助成の贈呈式」が行われました(2023年10月31日)

山新放送愛の事業団から県内12の施設・団体などに備品が贈呈された=山形市・山形メディアタワー
福祉援助・助成贈呈式

山新放送愛の事業団(理事長=寒河江浩二山形新聞会長・主筆)の2023年度福祉援助・助成の贈呈式が31日、山形市の山形メディアタワーで行われ、県内12の施設や団体などにノートパソコンやエアコン、除雪機などが贈られた。

寒河江理事長が同事業団の趣旨を説明し、「贈呈品には県民の温かい励ましと力強い声援が込められている。有意義に活用してほしい」とあいさつした。選考委員長の峯田益宏山形新聞取締役編集局長が援助・助成先の選考経過を報告し、寒河江理事長と佐藤秀之山形新聞社長、板垣正義山形放送社長が目録を手渡した。

来賓として堀井洋幸県健康福祉部長、佐藤孝弘山形市長、玉木康雄県社会福祉協議会長、加藤淳一県教育次長が出席。堀井部長と佐藤市長が励ましの言葉を送った。福祉援助・助成先を代表し、クローバーの会@やまがた(山形市)の樋口愛子理事長が「地域の皆さんの役に立つことをモットーに、草の根の福祉活動を続けてきた。評価していただき大きな励みになる。期待に応えられるよう尽力することを誓う」と述べた。

山新放送愛の事業団と山形新聞、山形放送は、行政の目が行き届かない地道な活動を支援し、県民の善意を広く地域福祉に還元しようと毎年、福祉援助・助成を行っている。23年度は13件の応募があった。

「山形新聞2023年11月1日 」「写真提供/山形新聞社」

山新放送愛の事業団 援助・助成先の12団体 福祉応援、県民の善意

山新放送愛の事業団、山形新聞、山形放送は2023年度の福祉援助・助成先に、不登校の子どもらの支援や民話の伝承に取り組む団体、中高生らのボランティアサークルなど12件を決めた。それぞれの活動に応じてノートパソコンやカラー複合機といった必要な品目を贈り、県民の善意を地域福祉の向上につなげる。

行政の目が行き届きにくい部分を民間サイドからサポートしようと、毎年続けている。6日に山形市の山形グランドホテルで選考委員会を開き、申請のあった13件について▽支援によってさらなる福祉の充実につながるか▽緊急性や必要性があるか−などの観点から議論した。

23年度援助・助成先のうち、5団体の活動を紹介する。

山形地区精神保健福祉家族会・こまくさ会(山形)

学び合い、制度充実へ
活動風景
定例会を開き、福祉制度などについて学んでいる=山形市総合福祉センター

山形地区精神保健福祉家族会(山形市、池野久男会長)は、精神障害者の家族で組織している。「こまくさ会」と称し、ざっくばらんに情報交換をしながら支え、学び合い、行政へ制度の充実を働きかけている。

1971(昭和46)年に設立し、現在は同市を中心に40〜80代の26人が所属している。毎月第2土曜日に同市総合福祉センターで定例会を開き、患者への接し方や障害者の自立、福祉制度について勉強している。

96年に入会した池野会長は「家族も精神的に追い詰められる。さまざまな制度を知ることができてよかった」と振り返り、「心の病気は誰もがかかり得る。語って、笑って、つながることが大切。気軽に相談してほしい」と話す。

NPO法人With優(米沢)

鶴岡に新たな居場所
活動風景
海の見える会員制宿泊施設の開設へ準備を行うWith優のスタッフら=鶴岡市由良2丁目

NPO法人With優(米沢市、白石祥和代表)は不登校やひきこもりの人の支援に取り組んでいる。鶴岡市の民家を改修し、会員制の宿泊施設として来春に新たに開設する計画だ。

2007年に任意団体として発足した。現在は米沢市内でフリースクールやカフェレストランなどを運営する。鶴岡市の民家は民宿だった木造2階建てで、約20人が宿泊でき、海岸までは100メートルほど。海が見える環境で地元の人と交流しながら、本人やその家族にさまざまな気付きを得てほしいとの思いを込める。

今後はクラウドファンディング(CF)で改修費などを募る。白石代表は「利用者にとって古里のように感じられる場所にしたい」と話している。

まほろば語り部の会(高畠)

民話継承へ発表、指導
活動風景
民話継承へ話し方を子どもたちに指導する、まほろば語り部の会の会員=高畠町・和田地区公民館

ボランティア団体まほろば語り部の会(高畠町、中川和江会長)は、町内各地で民話の発表や指導を行っている。地元に根付く文化を後世に継承するため、精力的に活動している。

2002年に発足し、現在は60〜80代の会員15人が所属している。同町の浜田広介記念館や老人クラブ、幼児施設などで公演するほか、同会主催の発表会を毎年1回開催している。町内の小学生が民話を披露する「民話フェスタ」(毎年2月開催)に向け、各校児童の指導にも取り組むなど、子どもたちへの民話の伝承にも努めている。

中川会長は「民話をたくさんの人に届けたい。発表の場所を増やすなど、活動の幅をどんどん広げていきたい」と語った。

NPO法人みらいず(酒田)

障害者、弁当作り奮闘
活動風景
野菜が多くおいしい弁当作りに奮闘する、みらいずの利用者=酒田市

NPO法人みらいず(酒田市、今野雅由紀代表理事)は1999年、小規模作業所として活動を始めた。生活介護事業などを通して障害のある人を支援している。軸となる就労継続支援B型事業では利用者が、野菜を多く使ったおいしい弁当作りに励んでいる。

施設利用者は15人。うち9人が交代で週3回、利用者と職員の計約20食分を作る。5年ほど前にたこ焼き製造販売を始め、好評を得たが、新型コロナウイルス禍によりやむなく中止となった。利用者がたこ焼きのだし作りで得た技を生かして弁当作りに切り替え、食べる人の健康を支え工賃を得ている。

今野代表理事は「地域貢献として、周辺のお年寄りにも弁当の注文販売ができたらうれしい」と語った。

ボランティアサークル「nico こえ」(天童)

地域、世代の垣根越え
活動風景
健康福祉まつりに出店し、レモネードなどを販売する「nico こえ」メンバー=天童市

「nico(にこ) こえ」(天童市、菊池柚香代表)は、同市の県青年の家がコーディネートするボランティアサークル。中高生を中心とした青少年が、その名の由来の通りにこにこ笑顔を大切にしながら、地域や世代の垣根を越えてボランティア活動に取り組んでいる。

2021年に発足し、村山地域を中心に中高生や大学生計41人が参加している。レモネードを販売し、小児がん治療への支援金を集める「山形レモネードスタンドプロジェクト」は同サークルを代表する取り組み。プロジェクトリーダーの平田寧々さん(18)=東海大山形高3年=は「小児がんで苦しむ子どもたちを一人でも減らすことができるよう、支援の輪を一層広げていきたい」と語った。

福祉援助・助成贈呈先

(2023年10月31日現在)
○施設・団体への助成
番号地区名称品目
1 山形市 NPO法人クローバーの会@やまがた エアコン1台
2 山形市 認定NPO法人発達支援研究センター
「ワクワクひろば泉」
エアコン1台
3 山形市 山形地区精神保健福祉家族会
・こまくさ会
カラー複合機1台
4 山形市 一般社団法人やまがた福わたし 除雪機1台
5 天童市 NPO法人ふれあい天童 低温貯蔵庫1台
6 米沢市 NPO法人With優 エアコン2台
7 高畠町 まほろば語り部の会 ワイヤレスアンプ・マイク一式
8 鶴岡市 鶴岡ジュニアオーケストラ サクソフォン1本、バイオリン2挺
9 酒田市 多機能福祉施設こもれび ノートパソコン2台、タブレット1台
10 酒田市 NPO法人みらいず エアコン1台
○全県的な範囲の催事・行事大会・団体への助成
11 全県 県内の視覚障害者の皆さんへ 点字カレンダー610部
(山形県立点字図書館を通じ贈呈)
○ボランティア活動・事業への助成
12 天童市 ボランティアサークル
「nico こえ」
Tシャツ25着、ビブス30着
合計12件
選考委員会 2023年度の援助・助成先を協議した選考委員会=6日、山形市・山形グランドホテル

【選考委員】(敬称略、新は新任)

委員長=峯田益宏(山形新聞取締役編集局長)
▽委員=鈴木由美子(県地域福祉推進課長、新)島貫克彦(県生涯教育・学習振興課長兼郷土愛育成室長)中沢秀夫(県社会福祉協議会参事)小林宏一郎(白鷹)安藤善宏(村山)今野誠(酒田)日下部泰子(寒河江)細谷由紀(東根)菅原繁(鶴岡、新)鈴木雅史(山形新聞論説委員長、新)三浦重行(山形放送報道制作局長)▽事務局長=高橋慎一郎(山形放送総務局長)▽事務局員=矢作真也

「山形新聞2023年10月25日 」「写真提供/山形新聞社」

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