事業内容

助成事業

2021年度「愛の事業団福祉援助・助成の贈呈式」が行われました

県内20の施設、団体などに備品が贈られた山新放送愛の事業団福祉援助・助成贈呈式=山形市・山形メディアタワー
福祉援助・助成贈呈式

山新放送愛の事業団(理事長・寒河江浩二山形新聞社長)の2021年度福祉援助・助成の贈呈式が29日、山形市の山形メディアタワーで行われ、県内20の施設や団体などにノートパソコンや冷蔵庫、エアコンなどが贈られた。

(山形新聞2021年10月30日)

福祉援助・助成決定一覧表

(2021年10月29日現在)
○施設・団体への助成
番号地区名称品目
1 山形市 クローバーの会@やまがた 拠点施設改修工事一式(階段室手摺り及び階段踏板滑り止め設置)、ノートパソコン2台
2 山形市 認定特定非営利活動法人 発達支援研究センター 「ワクワクひろば」 拠点施設外構工事一式(塀設置)
3 山形市 特定非営利活動法人 うさぎ村 エアコン2台(取付工事費込)
4 寒河江市 特定非営利活動法人 たんぽぽ会 作業用折りたたみ椅子20脚
5 河北町 特定非営利活動法人
ご・ざぁーれ広場
ノートパソコン1台
6 米沢市 特定非営利活動法人 With優 AED (自動体外式除細動器) 2台、 デスクトップパソコン1台、家庭用冷蔵庫1台
7 南陽市 特定非営利活動法人 花未来 職業用ミシン1台、職業用ミシン専用テーブル1台
8 酒田市 多機能福祉施設こもれび ポータブル電源2台
○全県的な範囲の催事・行事大会・団体への助成
9 山形市 公益社団法人 認知症の人と家族の会山形県支部 大型液晶モニター1台、遠隔会議用スピーカー・マイクセット一式、インクジェット複合機1台
10 米沢市 胆道閉鎖症の子どもを守る会山形支部 ベスト(名入り)20着、帽子(名入り)20個
11 鶴岡市 公益社団法人 日本オストミー協会山形県支部「庄内オストメイト家族会」 ノートパソコン1台、インクジェットプリンター1台
12 山形市 県内の視覚障害者の皆さんへ 点字カレンダー700部
○ボランティア活動・事業への助成
13 山形市 山形てのひら支援ネット エコバック80個
14 寒河江市 ぎぼうし落語の会 簡易バックボード 1台、のぼり旗2旒、紬はんてん(名入り)5着
15 上山市 かみのやまこども食堂「かえる家」 業務用製氷機1台、業務用冷蔵庫1台(設置費込み)
16 村山市 ボランティアサポート村山・
みどりの会
テント2張り(天幕名入り)、ベースプレート2セット
17 河北町 河北べにの里昔語りの会 ポータブルワイヤレススピーカー・マイクセット一式、 作務衣12着
18 大江町 ボランティアサークル
夢憧布(ぽけっと)
ベスト(名入り) 60着、デジタルカメラ1台(メモリーカード付属)、ポスターペン149本
19 鶴岡市 鶴岡バイオリンサークル バイオリン2挺、チェロ1挺
20 鶴岡市 要約筆記「おひさま」 タブレット端末1台(専用スタイラスペン付属)、書画カメラ1台、プロジェクター1台
合計20件

山新放送愛の事業団、山形新聞、山形放送は2021年度の福祉援助・助成先に、子どもたちの生活支援や福祉ボランティア活動に取り組む施設・団体など20件を決めた。それぞれの活動に応じて必要な品目を贈り、県民の善意を地域福祉の向上につなげる。

行政の目が行き届きにくい部分を民間サイドからサポートしようと、毎年続けている。今月1日に山形市の山形グランドホテルで選考委員会を開き、申請のあった21件について▽支援によってさらなる福祉の充実につながるか▽緊急性や必要性があるか―などの観点から議論した。

21年度援助・助成先のうち、5団体の活動を紹介する。

「かえる家」(上山)

子どもの孤食なくす
活動風景
かみのやまこども食堂「かえる家」で食事をする子どもたち=今年8月、上山市(かえる家提供)

上山市のかみのやまこども食堂「かえる家(や)」は、萩生田充知子代表と祐司副代表の夫妻が運営する。長期休み中の小中学生たちの生活支援に向け、祐司副代表が住職を務める浄光寺を食事や学習、遊びの場として解放している。

孤食をなくすことをテーマに活動し、2017年に子ども食堂として現在の名称にした。学習支援や調理は地元住民らが手伝う。「遊びに来た子どもに『ご飯食べてけ』と言っていたような、昔の田舎のおばちゃんみたいなことをやっているだけ」と笑う充知子代表。現在はフードバンク活動も手掛けている。

贈呈品は業務用製氷機と冷蔵庫。「安全な食を提供するために活用したい」と語った。

「おひさま」(鶴岡)

文字通訳で情報支援
活動風景
要約筆記を実演する「おひさま」のメンバー。手書きの文字通訳として中途失聴者や難聴者を支援している=鶴岡市総合保健福祉センター

鶴岡市の要約筆記「おひさま」(今井美佳代表)は耳が不自由な人への情報支援に取り組んでいる。手書きの文字通訳として、会議や会話の内容をその場で書き起こし、コミュニケーションや社会参加を手助けしている。

酒田市のサークルで学んだメンバーが2013年春に立ち上げた。現在の会員は3人。中途失聴者や難聴者の支援に加え、担い手育成の講座も重ねている。

コロナ禍によるマスク着用で「口の動きを手がかりに話を読むことも難しくなった」と今井代表。高まるニーズに応えるため、贈呈品のタブレット端末やプロジェクターを生かし、社会的距離を保ちながらの文字通訳や、スクリーン投影など支援を充実させていく。

「ワクワクひろば」(山形)

障害ある子をサポート
活動風景
2本のゴムを跳び越え、体の動かし方を学ぶ子どもたち=山形市・発達支援研究センター「ワクワクひろば」

山形市の認定NPO法人発達支援研究センター(細谷暁子代表)が運営する「ワクワクひろば」は、発達障害のある子どもや子育てに不安のある親をサポートしようと、2007年に開所した。

スタッフは作業療法士や心理士らを含む16人。1日10人を定員とし、現在は村山地域を中心に24人が利用する。絵本の読み聞かせやリズム遊び、運動などを通じ、得意分野を見つけ、集団生活での適応力を伸ばそうと取り組んでいる。

19年から保育所訪問事業も始め、情報を共有して連携を強化。細谷代表は「保護者支援も重視している。子どもが自分の気持ちを伝えられるようになるなど、一緒に成長を感じていけるのがうれしい」と話した。

「花未来」(南陽)

物作りを通じて交流
活動風景
高齢者の交流の場などを提供するNPO法人「花未来」=南陽市

NPO法人「花未来」(南陽市、川合ひさ子理事長)は障害者の自立を支える活動や、高齢者の交流の場の提供に尽力している。

花未来は2000年に設立された。04年には地域支援学習センター「花工房」を開所し、縫製作業や機織りを通じて障害者の社会参加を支援。18年にオープンした介護予防事業施設「るーむ花」では65歳以上の要介護を受けていない市民を対象にソーイング教室などを展開している。花工房の通所者とるーむ花の参加者の間で交流活動も行っている。

花未来にはミシンとミシンテーブル各1台が助成される。川合理事長は「物作りを通じた交流に役立てたい」と語った。

「ぎぼうし落語の会」(寒河江)

人々に笑いを届ける
活動風景
練習を重ね腕を磨くぎぼうし落語の会のメンバー=寒河江市・ハートフルセンター

寒河江市のボランティア団体「ぎぼうし落語の会」(高橋和広会長)は落語好きの9人がメンバー。出前寄席と公演で人々に笑いと人情の機微を届けている。

2011年結成で、現在は40〜70代の男性4人と女性5人。出前寄席は依頼を受け町内会や老人クラブなどで開き、公演は年1回開催。「笑いや拍手がうれしい。冗談でも『日本一』なんて言われると舞い上がってしまう」と高橋会長。

出前寄席はコロナ禍で激減してしばらく開けていないが毎月2回の練習会で準備を続ける。11月には久々の開催が予定されている。

贈呈品の一つ、簡易バックボードは、落語に集中してもらうため高座の後ろに置く。より話芸に引き込むことができるか、腕の見せどころだ。

2021年度の福祉援助・助成先を協議した選考委員会=山形市・山形グランドホテル(山形新聞2021年10月22日) 選考委員会
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